安い機種のニコンのデジイチをお持ちで中古レンズ買ってみたらオートフォーカス(以下、AF)が動かなかったという経験があるのでは?
私はいきなり工場夜景から入り=付属レンズのAFはピント合わない=マニュアルフォーカス(以下、MF)+Mモードだったため、D60はほとんどのレンズでAF機能は使えないと後で知りナチュラルに罠を回避していました。
自分が持っているカメラ本体でAF機能が使えるレンズ、そして欲しいレンズがカメラに合うか合わないかです。多分10年以上前にこんな説明した人はたくさんいたと思うのですが、5-6年前からGoogleが金儲け重視になり検索がバカになったので古い記事が出てこないんです。
対象のデジタル一眼レフの機種名
これらです。(以後、安物機種)
- D40~60
- D3000シリーズ(3000、3100、3200、3300、3400、3500)
- D5000シリーズ(5100、5200、5300、5500、5600)
ややこしくなるのでそうじゃない系の機種名は書きません。D二桁は40系と50と60だけ、4桁は3千と5千の全部。
なぜ専用レンズでなければAF使えないかは安物機種にはカメラ本体にモーターが内蔵されていないから。どうして内蔵しなかったのかは、(邪推ですがニコンが)本体安く見せて素人に一眼レフ買わせる、ただし専用レンズでしかAF使えません、昔のFマウントでもAF使いたいならモーター内蔵したクソ高い本物を買えやksg的な考え方をした。
普通に考えると競合他社(Canonとかキャノンとか)は元からレンズにモーターを内蔵してカメラ本体を安く見せかけているから、本体への誇りやニコンとしての意地を捨ててキヤノンごときに対抗してしまった。これはこれで邪推かも。
こうして書くとCanonの一眼レフはプリンターのインクビジネスみたいですね。本体じゃなくてレンズで儲けるっていう。
安いニコンの一眼レフでAFが使えるレンズの見分け方
手持ちのレンズ2種類を例に。
D3000や5000シリーズ、D40~60など安い機種を選んだなら右のレンズ(18-55mm)が標準でついて来たのではないでしょうか。左は当時は高価だった高級レンズです。最近気付いたのですが、マウント(画像の下側)の輪っかが金属かプラスチックで違うのあざとい。軽量化なのかコストの問題なのか……。
見分け方は1点だけでいいです。AF-Sが付いてるか、これだけ。
他にもAF-Pもありますが安物機種では使えません。AF動かないどころかマニュアルフォーカスも機械式ではないのでピントさえ合わない不良品状態になるのだとか。ちなみにPが使える上位機種ならAF-PはAF-Sよりモーターいいやつなので合焦めちゃくそ早いらしいです。
D3300,5300,5500はファームウェアが最新ならAF-Pも使えます。ニコン公式より
もう1つ、AF-IというAF-が付くレンズもあるにはありますがAF-Sより古く合焦が遅いし出回っていないしで、AF-S中古が安い今あえて選ぶ意味はないでしょう。
金ラベルならAF機能使えるってものでもない
AFとしか書かれていない金文字ラベルのレンズ。全体像クソデカなので一部だけ。
黒地に金がAF-Sに似ていますがAFなので安物機種ではAF機能は使えません。
余談になりますが、このレンズはDXロゴのないフルサイズ用、年代的にフィルムカメラ向けだったのでレンズにモーター内蔵してるわけないんですね。フィルム時代のAFカメラは全部本体側にモーターがついていてレンズに内蔵されたのはデジタル一眼レフからです。
ちなみにAF-Sレンズをフィルムカメラに装着するとナニコレ?状態になって認識してくれません。
AI-SはAF-Sとは全然違うので見間違い注意
メルカリとかヤフオク見ていたら「わざとだろw」って思うほどまぎらわしいAI-S NIKKOR 何ミリみたいな表記が時々ありますが、AI-SはAiかつCPUレンズ(絞り値をカメラが認識できる)であって、AF-S(レンズにモーター入ってる)とは全然意味が違います。
AFやAutoと付くレンズでもAFは使えません
AFはオートフォーカスの略ですが、ニコンの場合カメラ本体側にモーターが入っている前提な本来の高級一眼レフならばAFが使えるという意味で、私たち初心者向けの安物機種ではレンズ側にモーターが入っていないのでAFと書かれていようとフォーカスはマニュアルです。
いい画像あった。
プラスのネジに混ざって左上にマイナスのようなネジがある、これがAF機能用のクルクルです。中に歯車が入っててピントリング回して調整。AF対応フィルムカメラやD70とかには本体側にもこのクルクルを回すマイナスドライバーみたいなのが付いてます。
そして、Autoの表記は大昔のニッコール・オート、オートニッコールのレンズに書かれている文字で、絞りと露出が連動する意味でのオートであってフォーカスのオートではない、マニュアル時代の話なのでAFとは関係ありません。
自分の安物機種に合うレンズ合わないレンズ
規格はニコンのFマウントですからそうなら装着できますし写せます。上位とは違い安物機種はマウンターの輪っかに小細工がないので付けたらカメラ本体やレンズが壊れるとかないです。何でも付きます。
例としては、私のD60に一番よく付いているのは1960年台の200mm単焦点ヤフオク1~2,000円の非Aiですし、最高性能といえるレンズは広角55mm/f1.4または500mm/f8で、いずれも1970-1980年頃のAiです。
逆に安物機種以外では絞りレバーが干渉したり、マウンターのスイッチが引っかかったり、聞いた話ですが最悪本体側が物理的に破壊されることもあるそうです。
ものすごく簡単にすると?
名前も簡略化します。カッコ内の価格相場は2024年11月メルカリやヤフオクの送料別、右はニコン公式の当時新品価格です。
- AF-S 18-55mm(中古:4-6千円、ジャンク:2-3千円)38,200円
- AF-S 55-200mm(中古:5-9千円、ジャンク:3-4千円)52,250円
この2つでアガリでは?
広角18mmかつ望遠200mmまでカバーは超優秀ですから他のレンズは買わなくていいでしょう。例えばD60のダブルズームキットがこの2本で、使ってみて足りないと思えばその時に買い足しを検討すればいいのです。
古いAF-Sに18-70mmというレンズもあり、中古で18-55より千円安いくらいなのでVR(手ブレ補正)が不要で望遠少し伸ばしたいならアリと思います。
予算もっと盛れるぞってことならこの辺りもメルカリ山やヤフオク川で時々見かけますがコスパは悪くなります。
- AF-S 18-200mm(1-1.6万円)113,400円
- AF-S 55-300mm(1-2万円)55,000円
- AF-S 18-300mm(3.5-7万円)オープンプライス実売9万円
エグいですね。18-200がまさかの桁違い、知らんかった。
他にも似た感じのズーム、単焦点で35mm/f1.8、60mm/f2.8とかありますが、安物機種のレンズはせいぜい数種類でコンプのようなものですから、1900年台レンズのAF機能も使いたいとかレンズコレクションしたいなら上位機種に買い換えましょう。今一番安いAFモーター内蔵の中古デジイチはD7000が約3万円でした。
またはフルサイズやニコン以外に乗り換えるかでしょうね。これ書く数時間前にうっかり初キャノン55-200mmを落札してしまいましたが、モーター入ってるからかどのレンズも高くて震えます。
夜も撮るならAF-SのAF機能はゴミ
私は入り口が工場夜景だったため、しょっぱなにAF-S 18-55mmのAF機能が全然ピント合わず、しかもMFもリングがふわふわしてやりにくいためオールドレンズに直行したという奇行じみた流れになったのですが、AF-SのAF機能は特に夜はダメと価格.comでコテンパンに釘刺されました。
AF-SはAF機能の故障も多いので最初のAmazon経由付属レンズの故障も疑いましたが、レンズ分解沼にハマりジャンキーと化した今なら言える、神レンズだろうとAF機能は夜18-55も55-200どっちもポンコツです。18-55は4本、55-200は3本使ってみて同じでした。故障じゃなくて仕様です。
手で見て心で感じろ(訳:MF使え)
個人的にはAF-Sはダメです。神レンズなんてとんでもない、二軍もいいとこ。
唯一自分用として持ってるAF-Sの18-200も売って他のレンズをコレクションに加えようと思っていましたが、M/Aスイッチがあるのでメルカリ山へ投棄したりヤフオク川への放流は保留しています。
クソわかりにくくてすみません、左が18-200(右は18-55)で画像下にあるスイッチ3つの右はし「M/A」のことで、対するMはただのマニュアルフォーカス用なので手でレンズ動かす方、オートフォーカス全然しない方。
M/Aはマニュアル優先オートフォーカスの意味らしく、A/Mはその逆ですが機能的には同じようで、AF機能が使える上に手動でピントリングも回せるというものです。*右のレンズ「A」のようなガチAFだとモーターがリング掴んでて回せません。
私は視力がクソ悪くて0.1未満の近視と軽い乱視に加えて数年前から老眼も入った目が悪いスペシャリストなのでAFが真剣に機能してくれるに越したことはないのですが、AF-SのAF機能は夜の役立たずです。同じ夜でも光あふれる街なかなら違うのでしょうけど、近くても100mくらいあったり普通に1km超える工場は夜が広すぎるんです。
AF-Sはジャンクと分解おすすめしません
AF機能故障のジャンクを分解修理してみようなんてアホな考えは絶対にやめるべきで、いろんなレンズ分解してみた私でもAF-Sばらすのはトップクラスにイヤです。
これは後玉(カメラ本体側)から2枠外して最初のレンズを外そうとして部品の位置を記録するため撮ったものですが、この後ワッシャーのようなスペーサーがバラバラと落ちてきたりレンズあるあるな「これどこについてたの?」が外れていたり、細さ0.2ミリ?みたいな銅線があったり、そらAFもVRも故障するわバカってほどギチギチで使い捨てみたいな設計な印象あります。右下に見えてる茶色はフレキシブルケーブル、薄い曲がる板状の配線、この後で中に小さいやつがいくつも生えてます。
AFとかAiならレンズ前から後ろまでだいたいバラせる私でも、こいつの中玉は行ける気がしないし後玉も途中まで、もし行けたとしてもレンズ分解は戻し始めるところが本当のスタートなのでゴールできる気がしません。前玉の方はまだましですが、後ろからはレンズ2枚が限度です。
何が言いたいかはメルカリなどで「中玉にクモリ」とか「後玉にカビ」は超危険ですし、レンズの中身を見せていない、見えても途中まで、故意に奥が見えないアングル、なぜ暗いまま撮ったの?どうしてピントがそこ?みたいなジャンク品は罠です。
分解掃除すればきれいになるかも?はモーターが入ってないレンズで、AF-Sはカメラのレンズというよりただのガラス入り精密機器なので分解するならそのつもりで元に戻せない覚悟をしましょう。
安物機種はAF-Sレンズ用カメラ、AF-Sは安物機種用レンズ、というお話でした。
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