制限多すぎコンデジが安い理由がわかった

コンデジとはコンパクトデジカメ、デジカメはデジタルカメラの略。ところでコンデジの定義って何だ?と思って調べたらこういうことらしいです。

Q:コンデジとミラーレス/一眼レフの違いは?――A:レンズが交換できるか

出典:【実は知らなかった…】コンデジとミラーレス、一眼レフの違い、答えられますか? | プリント日和 | 家庭向けプリンター・複合機 | ブラザー

この後の説明でポケットに入るとか書かれていますが……、まあ、レンズ交換できないのでこれもコンデジっていうことで。カンガルーのポケットなら余裕で入るでしょうし。

フジフィルムのFINEPIX HS10、24-720mmという驚異的な30倍ズームかつ広角を備えつつもF2.8-11という明るさは、私が愛用する一眼レフが即死しそうな凄まじい性能。持ってた自分すごい、練習用に最適なのでは?と思ったのもつかの間の夢でした。

不自然なExif情報一覧から

まずはこれを見てほしい。

シャッター遅いのは私は工場夜景にしか、100歩譲って夜景全般にしか興味がないので今回のテストでは夜景を撮影したので8秒や29秒などは当然として、絞りがあまりにも開かれていない、ISOが高くなるとシャッター閉じるの速い、など変な感じになっています。

なぜかはISO 1600だと最大2秒、8秒開きたいならf/8より明るくできない、逆にf/8にしたなら8秒超えてシャッター開くことができない、など多くの制限にびっくりしました。なぜそんなことをしてくれるかは実際に撮れた映像を見ていただくとわかるかも知れません。

これが14年前の高級コンデジの性能

先に明るい室内(ただし夜、蛍光灯直下)での目薬から。

4.2mm(36mm換算24mm)、1.85秒、F2.8、ISO400

デジカメを両手で持って適当に撮ったので適当ですが、当時もののコンデジにしては今のスマホと比較しても普通にきれいに撮れていて文句ないはずです。ほぼ4K解像度なので現代でも通用するとも思います。

だがしかし、夜景となると話は変わりこう来たのです……。

4.2mm(24mm)、8s、f10.9、ISO400

どう見ても暗いのでシャッター開きっぱ時間を延ばせとおっしゃることでしょう。ところがf10.9(11のこと?)だと8秒超えの設定ができないんです。だったら8秒でいいから絞りを開くかISO感度上げろよと言われるでしょうけど、8秒より短くしたいならこれ以上開けないしISOも上げられない、やるとシャッター開の長さ制限が8秒より下がります。

拡大(パソコンからなら原寸大)も。

F2.8だから光芒が出ないのはわかる、でもそのアイコンみたいな六角形みたいな太陽みたいなのは何なのか。もしかして絞り羽なくて、わざわざ光芒をデジタルで再現する準備とかしてたり?

もう1枚。

14.3mm(約80mm)、2s、f8、ISO1600

f8にしてISO 1600まで上げたのでシャッターは2秒までしか開けちゃらめぇ~になったようです。原寸はこちら。

油絵かよ。ノイズが出たのでデジタルな処理でごまかそうとしてフォトショでいうボカシ詳細をきつくかけた印象になりました。左に光芒出てますが本当に絞り羽あるのなら6枚ですね。羽あるか見たくHS10本体を分解してる人いないか探しましたが、この機種は数が出ていないらしく画像も動画も見つかりませんでした。

最後は一番ましだった1枚です。

14.3mm(80mm)、29s、f5.7、ISO100

ISOを設定できる最低の100、絞りも開ける限界でf5.7、そうするとようやく29秒シャッター開けててやるよモードに設定できました。ちなみに絞り値は5.7より明るくは落とせず5.7止まりです。

もう右下の明かりが完全に太陽のアイコンですね。地図記号の工場のマークって言いたいのかも知れませんがそこは工場じゃないです。もっと奥の煙突は武田薬品の工場ですが。

だから夜景は一眼レフなんだ(納得)

画角が違いますが。

24mm、13s、f8、ISO 400

拡大するまでもなくHS10の2年前発売のD60+50年くらい前のレンズの勝ち、っていうか勝負になってませんね。

55mm、30s、f8、ISO 400

でも何か不安定じゃね?と思ったなら私の腕の問題で右に傾いてるからです。水平がいまだにわからない……。

コンデジは制限される、ISO、絞り、シャッター速度

こういう時はフォローもしておく記事が多いのでならうと、明るいところで撮れば2024年の今でもHS10は全然現役だと思います。三脚使えば最大30倍ズームも生きるのでしょうし、色んなオートモードがあるので走ってる子どもや新幹線を追ってシャッターとかもできるのかも知れません。

ただ、それは明るいところなら、の話です。

私が一眼レフに手を出したきっかけがスマホで工場夜景を撮ったらクソすぎてあきれ、わざわざこのくそでかコンデジ(HS10)を持って行ったのにやっぱりゴミで、意地になってD60を買った経緯がありますが、一眼レフ(D60)のオートで工場夜景を撮ったらやっぱりクソになります。専門用語だとアンダーかオーバー、明るすぎるか暗すぎるか。

じゃあどうするかは光を増やしたり感じやすくするため、ISO、絞り、シャッターを手動で設定することで人間様のお好みのバランスで明るさが選べるのですが、デジタルの場合は物理的に光を増やしたり感じたりするのは少しで、デジタル処理がメインなのでおそらく限界があって、限界を超えるとノイズまみれになるためボカシをかけざるをえず、結果として私がHS10のマニュアルモードで無理やり撮った油絵のような画像になるのでしょう。

2024年現在、光だけで24-720mmのf/2.8-11ができるレンズはあるのか調べましたがそんな化け物仕様はデジカメのみで、ニコンの公式によると性能の近い現行品の限界はこちらのようです。お値段は価格.comの新品最安値。

  • NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR……190,000円
  • NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR……210,000円

暗いので単焦点も。

  • NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S……1,595,000円
  • NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S……1,879,000円

HS10には全然勝ててないですが、そもそも物が違うので勝負にならない、と考えますと一眼レフの代用にはならないのですね。せめて画角や明るさの経験を積む練習になればと思いましたが、撮ったものがあれでは罰ゲームですし、ISOはともかくシャッターや絞りを制限されては練習になりません。

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