当サイトで写真と称してアップロードしているものは加工していません、やると写真じゃなくて画像になってしまいますから、の具体例です。
元の写真がこちら。
ここから全部オリジナルの写真をフォトショップ(というデザイナーとかが使う業者やマニア向けの写真編集ソフト)で加工しています。なぜ私が水平取るための切り抜き以外の加工を自ら禁止しているか、これ読めばわかるはずです。
ちなみに私はデザイナーやマニアではなくディレクター的な立ち位置なのでフォトショップの機能を知っている程度、それでもこのくらいはできるんです的にご覧ください。
明暗差を濃くしすぎ(コントラスト)
やりすぎると気持ち悪いので濃くしませんでしたが、ふもとの紅葉や右下の葉っぱの色と質感を元と比較してみてください。
はっきりクッキリしているのはコントラストを上げたからで、露出の明暗をそれぞれ別々に操作した感じです。この程度ならパッと見で「いじったな?」とはわからないと思われそうですが、職業の人は山と手前の明暗の不自然さに気付くはず。
元の画像を見なくても、です。
色を濃くしすぎ(彩度)
やはり下の紅葉付近とその周辺がわかりやすいです。RGB全部を濃くしました。
カメラが保存時にやっていたり、写真がきれいになる自動加工でありがちな彩度を上げた、やたら鮮やかな写真も職業の人から見ると化粧まみれの整形美人。次はもっとエグい彩度いじりを。
特に青がきつすぎる(カラーバランス)
全体の彩度が上がっている上に青空の部分を選択してシアン(印刷の青)とブルー(光の青)をめいっぱい上げました。
灰色の曇り空でもほんのり青が混ざっていたならきれいな青空にできます。もはや整形どころか性転換です。
これやると青空に高感度ISOみたいなノイズが出がちですが、色数が少ないのでボカシをかければ完全に消せます。塗りつぶしたようにノイズゼロ、少し時間かければ(+1分くらいあれば)グラデーションも維持したままで、+2分あれば本物よりきれいなグラデーションを描けます。
ダストノイズ消しすぎてブロックノイズ(ぼかし)
2023年8月の朝5時、カメラ性能の悪さに驚いた安物スマホの1枚。
パッと見ほんわかしたいい感じの写真に見えなくもないですが、職業の人から見るとブロックノイズ、塗りつぶしすぎ加工でごまかしすぎ。拡大するとわかりやすいです。
YAMAHAや給油の看板の文字、そして右上の電柱や電線が輪郭ボケまくっていて油絵みたいになっていますよね。なぜかはシャッタースピード24秒になっているのでノイズやブレが出たものをスマホが輪郭にシャープをかけた後にボカしを入れたのだと思います。
化粧を厚塗りしすぎた上に女優ライトあてすぎてシワが見えない感じでしょうか。
シャープかけすぎてノイズ出てる(シャープネス)
ちょっと前にTwitterで見た不自然な工場夜景を思い出しながら。撮影は私で加工済のものがこちらです。
すごく精細ですが私に言わせると不自然極まりない、精細さを強引に目立たせた代償として立体感や遠近感のない画像になってしまっています。元の写真はこれです。
自動シャープ(強)を2回かけ、左上の黒い夜空にISO上げすぎたようなダストノイズが出てしまったので全体を暗くしてごまかしました。作業時間は30秒かからないくらい。
本職の人間はノイズ出そうなところを別途マスクかけて作業するところ、簡単にノイズ消したいのか全体の明度を下げる人が多いです。元の工場夜景がどんなきれいさだったかを想像するとがっかりします。
そんなに色あせてるわけない(流行ってます?)
今度は彩度上げるのではなく下げてセピアカラー入れてフィルムとかおっしゃるのは本当にそう写っているのか、そういうレンズやカメラを知らない人間としては疑ってしまいます。
(めんどくさいのでやりませんが、)こういうのに白い枠を付けてプリントした風やポラロイド風でサインまで添えたものをTwitterで見ますが、そこまでやると完全に写真ではなくて創作です。
今、Twitter見たら偶然レトロなやつ上がってたのでもう少し近づけます。
アップロード済んだ後、これだとレンズが横長の楕円ってことになるじゃん?て気付きましたがレタッチの証拠的に不自然なままにしておきます。作業時間は3分かかってないくらいです。画像です。
被写界深度の加工は超簡単(広角と絞り)
ラストは元も子もなくなる被写界深度のぼかし再現を。
加工2分前の元の写真がこちら。ついでに彩度とかもいじってます。
予算盛られたウェブページをつくる際、プロのカメラからもらった素材がよくボケてるのでマネしてボケてない画像をこういう加工でぼかすことはあります。被写界深度という言葉を知るまで知らずに遠近ボカシやってました。
人間の目も中心から外に向かってボケてますから不自然ではありませんが、焦点距離や絞りの問題でボケ方が気に入らないなら加工でいくらでも思い通りにぼかせますが、やっていいの?ってことです。だめだから焦点距離や明るいレンズにこだわる、それが写真なのでは。
「写真はウソをつかない」がウソの今
今、例用に過去のファイルを見ていて私が「あ、いいじゃん」って思ったのは例えばこれです。
上の枯れ葉とか蜘蛛とか消して空のグラデ強調、海面もスッキリさせきましょうか。立てたシートにフレア(ゴースト?)が出て目障りな気がして削除。
見やすさや美しさやバランスの良さは下の画像が良いのかも知れませんが、枯れ葉がいい味出していたり偶然写った蜘蛛もおもしろい、暗くて見えづらいバイクと最後の明るさを出している夕日の明暗差がこの写真の自然な良さだと直感して「あ、いいじゃん」と感じたのだと思います。枯れ葉などで冬?と思ったなら当たりです、11月8日の山口県下松市笠戸島。
他の人がどうしようと知ったことではありませんが、私が撮りたい写真は目の前の光景を一眼レフが見ている通り記録して欲しいだけにすぎません。
そこでカメラによるアクティブD-ライティングやノイズリダクションは余計なお世話ですし、人間が色や明るさを自分好みにする必要性はありません。色が変ならカメラの故障かレンズの不良、明るさが違うならカメラか人間による露出ミス、ノイズ出るなら感度下げてブレるなら人間が三脚使うのです。
それは写真ではなく画像ではありませんか?
撮った工場の夜空に打ち上げ花火を合成して手前の海面にイルカやカジキをジャンプさせても写真ですか?職業にしている人間に言わせたら、色いじるのもラッセンするのも写真じゃなくて画像なんです。これは写真。
ただしアップロードの際にCMSが再圧縮しているでしょうし、原版は私の手元にあり私が見る用なのでイメージでしかありません。
以上、Yahoo知恵袋で質問した際、「無加工派なのでRAWは使わない」と書いたらなぜか回答欄で猛烈な勢いでブチギレられたので詳しめに書きました。「RAWいじった時点で写真とは言わない」みたいに煽ったりはしてません。
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